黄緑フィルター:日中の植物と肌色をバランスよく再現する

葉の多い背景を持つ日中ポートレートが、均一に分離された灰色トーンと穏やかに暗くなった空で描写されている

Simon Lehmann Editor

黄緑(X1)フィルターが緑の葉と肌色を明るくしながら空をほどよく暗くする仕組み、そして日中ポートレートに適している理由を解説する。

パンクロマティックフィルムは可視光全域に感度を持つが、その応答特性は人間の目が光をとらえる比率とは異なる。問題はハロゲン化銀そのものにある。裸の乳剤は本来、青色と紫外線にしか感度がない。H. W. Vogelが1873年に増感色素を発見したことで、感度はまず緑域へ、次いで橙・赤域へと拡張され、今日も使われるパンクロマティックフィルムが生まれた。ただし、残余の青感度過剰は最後まで完全には解消されなかった。Ilford HP5 Plus や FP4 Plus の公開分光感度曲線を見ると、その特徴がよくわかる。青域での強い応答、490〜540 nm 付近の青緑・緑域での相対的な落ち込み、そして赤域での回復という形状だ。人間の目はこれと逆の特性を持つ。明所視の等色関数 V(λ) は約555 nm の緑域に極大を持つ。そのため、目には均衡して見えるシーンが、フィルムに記録されると空は白っぽく、雲は溶け込み、葉は暗く落ち、赤みを帯びた肌は明るすぎる状態になる。

黄緑フィルターは黄色フィルターと緑フィルターの中間に位置し、これらの不均衡をいくつか同時に補正する。フィルムの感度が最も低く、目の感度が最も高い緑域を持ち上げながら、過剰な青感度を抑制する。これが「補正(correction)フィルター」という旧来の呼び名の由来であり、屋外ポートレートと植物描写の両方に本当に役立つ数少ないフィルターとされる理由でもある。

フィルターの名称

番号付きゼラチンフィルターの系譜はFrederick Charles Luther Wrattenに遡る。Eastman Kodakが1912年にWratten & Wainwrightを買収し、以来Kodak Wrattenシリーズが今日も引用される標準となった。ここで関係する2本のフィルターは混同しやすい。Wratten No. 11(黄緑系)は、パンクロマティックフィルムの感度特性をタングステン光のもとで目の特性に合わせるためにKodakが規定したものだ。Wratten No. 13は日中用の対応フィルターである。Kodakの旧アルファベット記号ではX1(= Wratten 11)、X2(= Wratten 13)と対応し、B+W は黄緑を060(より深い版は061)とコード付けしている。なお、各メーカー独自のアルファベット記号はこの体系に従わない場合がある。たとえばHoyaは黄緑をX0として販売し、X1は緑フィルターに充てている。したがって購入時はWratten番号で指定すること。色名や各社の記号に頼ると、タングステン補正用の11と日中補正用の13を取り違えてしまう。

分光特性

このフィルターは緑を最も強く透過し、黄色と赤も一部透過させる一方、乳剤が過剰に記録する青と紫をほとんど吸収する。その仕組みは先述の再整合にある。フィルムが過剰に持つ青を除去しつつ、フィルムが比較的不感な緑を持ち上げることで、記録されるトーンスケールを人間の視覚の555 nm ピークに近づける。KodakのWratten 11の仕様書にもその旨が記されており、日中では緑がわずかに明るく再現され、タングステン光下では目の応答に近い特性になると述べている。実際の結果は自然な印象であり、劇的な変化ではない。X1は橙や赤フィルターのようにコントラストを誇張するのではなく、フィルムの特性が視覚から逸脱している部分を補正する。

葉の描写と緑が分離する理由

緑が最も強く透過される帯域であるため、このフィルターは、フィルター無しでは重く均一な灰色に沈んでしまう葉を明るくする。Ilford自身の色フィルターに関するガイダンスも、緑フィルターは「葉の描写にほぼ専用に使われ」、フィルター無しでは非常に暗くなりがちな暗緑色の葉を明るくすること、また黄色 #8 フィルターは「異なる色の葉の間の分離をより強める」ことを述べている。黄緑フィルターはこの両方の効果を持つ。

分離が生まれるのは、二つの緑がまったく同じ緑ではないからだ。春の草や新芽は黄色みが強く、針葉樹の葉や蝋質の成熟した葉は青みが強く暗い。黄緑を強く透過しつつ青を抑えるフィルターは、これらの緑をひとつのトーンに押し込める代わりに、それぞれの黄対青のバランスに従ってグレースケール上に展開する。植物に対して赤フィルターより黄緑フィルターが好まれる理由がもう一つある。R. W. Woodにちなむウッド効果だ。クロロフィルは可視光のほとんどを吸収するが、約700 nm 以上では透明に近くなり、葉の細胞構造が近赤外線(約700〜900 nm)を強く反射する。この帯域を透過させる赤フィルターは、この隠れた反射によって部分的に台無しにされ、葉を予想外に明るく不規則に描写してしまう。赤外線をあまり反射しない針葉樹はより暗く残る。X1は完全に可視光域内で作用するため、測光した通りの結果が得られる。

空の変化と段数

青の吸収が開放空を暗くして白雲から分離させるが、それはほどほどの程度にとどまる。これがまさにこのフィルターの要点だ。同じフィルターファミリー内での位置づけを示すことで、変化の大きさが具体的になる。Wratten 8/K2(黄)はファクター2(1段(ストップ))、深黄Wratten 15は2.5(約1と3分の1段(ストップ))、緑Wratten 58は4(2段(ストップ))、橙Wratten 21はIlfordの表で約4(2段(ストップ))、赤Wratten 25は4〜5(約2〜2と3分の1段(ストップ))。Ilfordの公開ファクターは黄2、緑2、橙4、赤4〜5、青2となっている。黄緑フィルターの空の暗化はこの範囲の中間に位置する。単純な黄よりは強く、橙や赤が生み出すような重くほぼ黒に近い空よりははるかに手前だ。

ポートレートにおける肌色

開放日光下で平均的なコーカサス系の顔を18%グレーのゾーンVに測光すると、慣例では顔は1段(ストップ)上のゾーンVIに、最も明るいハイライトはゾーンVIII付近に置かれる。フィルター無しのパンクロマティックフィルムはここで問題を起こす。肌の冷調な青成分を過剰に記録し、赤い光を目の予想より明るく描写するため、唇や赤みを帯びた頬がゾーンVIIに向かって浮き上がり、トーンの豊かさが失われる。X1の青抑制と緑透過の組み合わせは顔をゾーンVIの意図した位置に保ちつつ、背景の緑の葉はゾーンVI〜VIIへ持ち上がり、プリントのハロを生まずに被写体の分離が得られる。

具体的な1コマの計算(ガラスフィルターのレーティングに基づく)。顔のEVを13、背景の葉のEVを12と測光する。X1を装着してファクター分1段(ストップ)を開け、顔がEV 12であるかのように露出する。顔はゾーンVIを保つ。すでに1段(ストップ)下の葉は、緑透過の恩恵でゾーンVI〜VIIに向かって持ち上げられ、濁ったゾーンIVに沈む代わりになる。フィルター文献の「11は肌色のコントラストを高める」という要約はこの再整合を指すが、あくまで要約として扱うべきだ。得られるのはトーンの配置とモデリングであり、階調段数が加わるわけではない。(KodakのWratten自身のデータシートはより慎重で、11はパンクロマティックの応答特性をタングステン光のもとで目に合わせ、日中では緑をわずかに明るく再現するとだけ述べている。)

露出補正と矛盾するファクター

X1には実際のフィルターファクターがあり、理由を知らなければ公開数値が矛盾しているように見える。KodakのゲルWratten 11は日中でファクター4、つまり2段(ストップ)とされている。B+W 060やHoya X0のような現代のガラス黄緑フィルターは2倍、1段(ストップ)とされている。この差は処方の違いであってエラーではない。Kodakのゼラチンフィルターはより濃く彩度の高い黄緑であるのに対し、ガラスフィルターはより淡く配合されている。手元にあるフィルターに印刷されているファクターを信頼すること。ゲルなら2段(ストップ)開け、ガラスなら1段(ストップ)開ける。誤ったファクターを適用すれば1段(ストップ)丸ごとずれ、ゾーンVIの顔がゾーンVに落ちるか、ゾーンVIIに浮き上がるかのどちらかだ。

TTL(レンズ透過式)メーターはフィルタリングされた光を読んで自動的に補正するが、特に強い色のフィルターでは注意が必要だ。メーターセルの分光応答はフィルムのものとは異なるため、強く着色したフィルターを通してのメータリングは誤読を招くことがある。安全な習慣は、フィルター無しで測光してから公開ファクターを手動で適用することだ。または、光が何か特殊な状態にあるときはブラケット撮影をする。

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